2003年5月号

ミスター・ハターズ・ロンリーハーツ・野菜トーク  第7回

ハター(野菜と語る男、以下ハ):戦争!・・戦争のせいで女にもてないわ、カネはないわ、からかってた犬に尻を咬まれるわで本当に参っちゃうよな。

みどり(福田翠、通称マダム、以下ミ)なんでも戦争のせいにするんじゃないわよ!全部自分のせいでしょう!

ハ:それにしても日本が情けない。オレは男の子だったからケンカで解決したがるバカがいるのはわかる。だけどデカいやつが気にくわないチビ相手にケンカしかけるとき、デカいやつに嫌われるのが怖くて「支持」する腰巾着はもっと情けない!

ミ:八百屋の兄ちゃん、ご高説はそこまで。あたしたちは日々を生きなきゃなんないんだからね。さあ始めるわよ!今月のゲストはたけかんむりに旬と書いて筍、タケノコさんよ。

ハ:えッ?「ツチノコ」「木の葉のこ」と並ぶ「日本三大ノコ」の一つタケノコ!?

タケノコ(以下タ):自分だけのワールドを持つのはやめなさい。さて、みなさん、「旬」という字は十日間という意味があります。「筍」は十日で竹になるという意味でついた漢字なんですよ。日本では昔から食べられているんです。「古事記」にも、天照大神が「伊都(いつ)の竹鞆(たけとも)をとりおはして」って書いてありますよ。

ミ:へええ、そうなの。グルッペにもミカンでおなじみの熊本・梅野さんからもうおいしいタケノコが来ているわね。タケノコが食卓を飾ると「春が来たんだなあ」って思うの。あの独特の芳香と歯ざわりが潤いを醸し出すのよね。一般に食べられているのは孟宗竹(もうそうちく)っていう種類なんだよね。

ハ:米ぬかと赤唐辛子で茹でたタケノコの皮をむいていくと白くてやわらかいタケノコが少しずつ姿をあらわす。例えるなら、着物を着た別嬪の花魁をオレが演じる早乙女主水が一枚ずつ脱がしていく、みたいな・・ああ、おとなのエロティシズムっすよ!まさに「もうそう」だよなあ。

タ:それは「妄想」でしょう!もう!

ミ:筍って茹でるのに一時間半、一晩置いておく、なんて究極のスローフードだよね。

ハ:そうだよな。それにしても近頃は何でも横文字で気持ち悪いよ。スローフードは「遅めし」、ファストフードは「早めし」オーガニックは「大ガニ君」でいいんじゃねえの?

ミ:意味がわかんないよ!何なの「大ガニ君」って。変なこと言うからオチにならないでしょう!

ハ:マダムは悪くない。全部戦争のせいだよ。女にモテないわ。カネはないわ。犬に・・

ミ:いい加減にしなさい!

(荻窪本店 畑)