2002年10月号

ミスター・ハターズ・ロンリーハーツ・野菜トーク  第1回

 野菜についてなんやかや書くというこのコーナーの前任だった森川“LOVE”愛ちゃんが、グルッペオセアニア店を立ち上げるために(嘘だ)某国に行くことになっちまったので、もっとアホなオレが引き継ぐことになりました。なにしろ彼女がいなくなっちまうのはとーっても寂しい!だから題名は「ミスター・ハターズ・ロンリー・ハーツ・野菜トーク」。ビートルズのぱくりじゃないぜ。

 ある夜オレが日中の八百屋労働に疲れ果てて寝ていると、夜半すぎにしきりに語りかけるものがいた。目をあけると不思議な老人が枕元に立っていて「我は野菜の神なり」と言う。あっけにとられていると「淋しい三十男の汝を慰めるため野菜と語り合う力を与える」と言って老人は消えた。それ以来、オレは野菜と語れるようになった。店先でぶつぶつ独り言を言っている店員がいたらそれはオレだ。野菜たちの愚痴や自慢につきあっているんだ。誰だ、病院に行けなんて言うのは!

 その能力を使って野菜と実際に語り合おうというのがこのコーナー。さあ、長ったらしい前置きはさておき、第一回目のゲスト、もはや国内野菜売上、ナンバーワンのトマトさんどうぞ!

オレ(以下オ):今年も良くうれてるねー。

トマト(以下ト):売れてると熟れてるとかけた?はあ(ため息)だから愛ちゃんにも逃げらアンデス。

オ:(ムカッ)何?その語尾の「アンデス」って?

ト:アタイは南米産だから、南米のなまりがアンデス。

オ:(しょーもなー・・・・)それはさておき、なんでこんなに人気があるの?

ト:そもそもアタイは世界中で一番人気がある農産物でもアンデス。だけど日本でも人気があるのには、それだけの理由がアンデス。

オ:君は単純に「おいしい」けれど、うまい野菜は他にもいろいろあるからなあ。近頃誰でも口にするようになった抗酸化栄養素「リコピン」をはじめとする栄養が豊かってことかなあ?それにしても「リコピン」の本名はやっぱり「リコ」なのかい?

ト:あんた(あきれる)。そもそもリコピンはリコのあだ名ではないし、日本人の好き嫌いは「栄養うんたら」のような知識ではつくられないの。

オ:あ、わかった。トマトって言えば、イタリア料理だろ?つまり日本人はイタリア人になりたがっているんだよ。真面目でこつこつ一年中という自分たちにうんざりしてんだ。だからイタリア人のように気楽に陽気に生きていきたい、って思いはじめているからだ。絶対そうだね。

ト:あんた、時々人々のまなざしの中に氷を感じることがあんでしょ?それにもっと日本人としての誇りを持ったらどう?

オ:確かに冷たい視線には慣れてるよ(肩を落とす)、、、、、じゃーなんなんだよ!

ト:いい?日本人は「赤くて丸い物」が大好きなの!りんごに梅干、みんな赤くて丸いでしょ?自分たちの国旗だって赤くて丸いじゃないの。アンパンマンが日本の子どもたちに人気なのもほっぺが赤くて丸いからなのよ。

オ:そうだったのか!!目からうろこがおちるっていうのはこういうことをいうんだなあ。これを読んでる人にも本当に役立つ豆知識だよなあ。トマトが売れるのは赤くて丸い物を日本人が好むからなのか!トマトさんどうも有難う!頑張ってナスもキュウリも赤くて丸くすれば、大ヒットで景気回復だ!

 みなさん、次回も人気の野菜を招いての、ためになるトークをお楽しみに!

(荻窪本店 畑)