2003年7月号

 平井製麺は香川県の小豆島で昭和53年5月より製造を始め、平成5年、国家資格制面技能士手延第30号を取得。手延べ、自然乾燥、と昔ながらの製法にこだわり、また、美味しさと安全性を心掛けその原料も厳選しています。現在、小豆島には約三百件の製麺工場があり、その中で今も機械を使わず人の手による手延べ箸分けをしているのは、10件位だそうです。もともと小豆島にはこれといった産業もなく、島グニで水田が少なかった為、麦、小麦が作られ、また、塩田があったため塩が作れたので、麺の原料が手軽に調達できることから麺作りが盛んになったといわれております。

 まずは『手延麺』の製造工程から〜

 「ミキシング」→「複合厚延」→「ほそめ」(徐々に細い麺にしていくための第一段階の細め)→「カケバ」(より“ネジリ”をかけながら竹に巻きつけること)→「小引」(本番「手延べ」にはいる前の準備段階の延ばし)→「手延べ」(人の手によって延ばし分ける)→「天日乾燥」→「切断」→「選別」→「計量結束」

 〜ざっとこんなところです。各工程ごとの麺の熟成には特に気を付けておられるそうです。

 原料の方に目を向けて、小麦粉から造るにしても“ごま油”を何に使うのかと思ったらこれは、製造上面表面の乾燥を防ぐのと麺同士のくっつきをなくす為に用いるそうです。小麦粉と混ぜて練り込むというのではなく、あくまで作業上の効率を高める為に少々使用するとのことで、ごま油自体出来上がった麺の味に影響することはまず無いそうです。

 また、半生うどんに使用されている澱粉は何かというと、うどんなどの太い麺の場合、小麦粉の持つ澱粉に更に芋などの澱粉を加えてやることによって、さらにモチモチ感が増し、のどぎしの良いより腰の強いうどんになり、ゆで時間も短縮されるとのことです。

 日頃から麺好きの私は、こうして出来上がった麺を、幸運にも、平井さん宅で料理をして頂きごちそうになりました。(毎日、ゆで上げるところだけは必ず、ご主人の平井さんが担当して味をチェックなさるそうです。)これが120%うまかったナ。さすがはプロの技、絶妙の時間で上がった麺は、透き通るような透明感、その美しさがそのままなめらかで涼しいのどごしと、さらに、同時に、麺の甘みがほのかに口に広がる感じで正に、麺好きにはたまらない至福の時でありました。(うまい麺のそばには冷えたビールがあったことはいうまでもないでしょう。)

 しかし、このうまさは平井さんの技術と愛の結晶ですね。特に平井さんの場合は、ほとんどひとりで全生産工程にかかわってらっしゃるので麺との対話から生まれる愛着というか、愛を持って躾なければ平井さん家の麺はこの世に存在しないわけですからね。職人気質を感じるところです。Respect!!

 また、私は平井さんのあの落ち着いた温厚な人柄にも男として惚れておりまして、自分の食べるモノがある人格化された人から渡された形で食べられることに非常に自己満足しております。

 ま、私の戯言はともかくとして、最後に平井さんご自身からお客様へのメッセージ。

 『まずは造る私自身がおいしいと自信の持てるそうめん、うどんを食べていただきたい。また、造る私の満足だけでなく、食べていただく皆様が、“わが家の手延べ”の特徴であるモチモチとした腰の強さ、なめらかなのどごし、甘み等感じて頂けたら、というのが私のめざしている麺造りです。』

 以上、これを読んだあなた。今逸、早速、『平井製麺』でグルメしてみては?十二分に満足いただけること請け合いです。と同時に平井さんのあのお人柄があなたにも伝わることと信じております。

(吉祥寺店 尾崎)