2003年5月号

 グルッペの創業以来、欠くことの出来ないアイテム「小野田のごま油」でお馴染みの小野田製油所に行って来ました!

 小野田製油所は新宿区中落合のバス通りに面していますが、その佇まいはまるでそこだけがタイムスリップしたかのようです。

 工場内も、巨大な機械が立ち並び、パイプが張り巡らされた現代の工場と違い、どの工程でどんな作業をしているのかがはっきりわかります。

 作業工程を追ってみましょう。

1.ふるいにかける

 小野田製油のごま油の原料は中国産(国産の生産量は非常に少なく、使用不可能)の食用白胡麻。もちろん無農薬栽培です。2度ふるいにかけ、ごみや砂をとります。

2.煎る

 煎る釜は薪(森林保護の為成長が早いナラ・クヌギ等を使用)が燃料。水分を適度に含んだ薪を使うことで温度が上がりすぎず、火力が安定するそうです。ごまの温度は130℃〜200℃。700℃〜800℃の高温で煎る一般の品と比べ仕上がりの色が薄くなります。

3.圧扁機で圧扁

 ごまをローラーでつぶします。香りがあたりに立ちこめます。

4.蒸す

 「どのくらい蒸すのですか?」という質問に、「蒸し上がるまでです。蒸し加減は『勘』ですね。」とのお答えでした。

5.圧搾玉締め

 器に木綿で出来たマットを敷いて、蒸した胡麻を踏み込む、踏み込む!人の足で踏んでつくられる食品は今、非常に少ないんじゃないでしょうか?

 圧搾には半球の御影石を用いた玉締めの圧搾機を使用します。

 一般に使用されているスクリュー式の機械ではごまに200kg/cm2もの圧力がかかります(煙が出る程です)。これでは香りは出ますが甘味は出ません(ごま油は本来、調理・過熱して香ばしさが出るもの)。

 一方玉締めでは140kg/c2の圧力。力がかかりすぎないため、温度上昇による酸化が防止し、油に甘味が出るのが特徴です。「ごまにとっても痛みがなく搾れるんじゃないでしょうかね。」と小野田さん。

 搾りたてのごま油を触ってみると人肌程度の温度。澄んでいてさらっとしています。口に入れると胡麻の香りと甘味がひろがります。

6.第一濾過

 いったん天井に上げて、重力で濾過機に通します。ポンプで無理に押し込んだりはしません。

7.第二濾過

 埼玉県小川町から取り寄せた和紙を茶筒状にして、ごま油を注ぎ入れ、じっくり濾過します。 (この袋を造る工程だけでも3、4日かかるそうです。)

8.瓶・缶詰め

以上、どの工程も一目瞭然でした。

 「昔のように住み込みの職人はいなくなってしまった。だから今の従業員は“半職人”です。」と小野田さんはおっしゃっていましたが、他ではなかなか見られない、本物の伝統食品がつくられている現場がそこにありました。さらにそれが東京のど真ん中だなんてびっくりです。

 工場を見学後、小野田さんの奥さんがごま油だけで揚げて下さった天ぷらを頂きながらお話を伺いました。「ごま油は、調味料としてではなく、素材として使っていただきたい。」「素材として一番味わえるのは、天ぷら。」とのこと。その天ぷらは香ばしく、カラリとしていて、いくら食べてもしつこくないので箸が止まりませんでした。

 「ここは町工場。ごま油づくりは家の生業(なりわい)、家業ですから目の届く範囲で責任持ってやっていきたい。」という小野田さんの職人としての言葉が印象的でした。

 日本の食文化の中で、長い間食べつづけられてきた伝統食品。その昔ながらの製法を守り続けておられる事に感動!そしてそれを食べられることに感謝、感謝!

小野田製油
ごま油

550g \950

(インターネット店 河内)