2004年5月号

 現在我が国では、数年前までのワインブームと呼ばれた時期の後、世界中のワインが日常の食卓に上がるほどに普及してきました。しかしながら、一度に大量のワインとその情報が入ってきたために、メディアの流す性格ではないインフォメーションと、聞こえの良いキャッチフレーズ、内容のハッキリしない商品だけがマーケットにあふれています。

 「ワイン通」という言葉があります。その対極にある言葉は、「ビギナー(初心者)」です。たとえばキャベツやトマトを食べるのに、通(つう)や初心者が存在するものでしょうか?(ワインもブドウが変化した農産物です。)

 例えば1ヶ月間で世界一周旅行をした人が、「自分は世界中のありとあらゆることを知っている」と言い切ることはかなり不自然なことです。世界中のワインを知っている日本のワイン通は、造った生産者以上に、そのワインのことを細部に渡って熟知しているようですが…。

 ワインはキャベツやトマトと同じ農産物、と書きましたが、これらの野菜と決定的に異なる特徴があります。それは、国内簡潔の農産物ではなく、世界基準(グローバルスタンダード)が前提になるということです。例えば日本のワインの品質も、日本の中で、国内の文脈だけで通用するのではなく、国際的に安全性や品質が評価されるものでなければ意味がありません。

 BWC(ボルドーワインクラブ)は世界的な伝統産地フランス・ボルドーのワインのみを取り扱っています。BWC創設者で、現地に20年近く在住している藤本恵一氏が商品をセレクトし、現地の優良生産者と直接取り引きしています。藤本氏は数年前までシャトーシトラン(メドック地区)という大規模なワイナリーの経営者としてワイン造りに携わり、その品質を短期間で国際的評価を得るところまで高めた実績があり、現地の生きた情報、ネットワークを持つ数少ない日本人です。

 ボルドーワインといいますと高級イメージがありますが、高級・有名ワインは、ボルドー全体のなかでは氷山の一角に過ぎません。ただし、安全性も高く、手ごろな価格で優れたワインは、日本に紹介されるまでもなくフランス国内、またはヨーロッパ内で完売してしまいます。真面目な生産者の造る良質なワインは、消費者が直接生産者の元に買いに来るほどで、ワイン商でさえなかなか購入できません。

 他の食品同様、今後はワインの安全性や品質についても、私ども売り手はより厳しい目を持って、あるいは聞こえの良い言葉・キャッチフレーズに頼ることなく、ブドウ畑や製造現場のリアリティが感じられる商品知識を持つことが肝要です。ボルドーだけでも一万数千の生産者がおり、毎年約3万種類ものワインが造られています。その中で、本当に真面目に取り組んでいる生産者は、全体の2〜3%位なのが現実です。その意味でも、単なる外国産ワイン、フランスワイン、なのではなく、厳選したボルドーワインだけに焦点を絞って生産者やワインの品質を把握していくことが、真面目な、あるいはあたりまえのワイン販売だと考えます。

 現在はメディアやインターネットを通して様々なワイン情報を手に入れることは出来ますが、そういったものが簡単にはいるようになればなるほど、実際に自分が行ってみて現場を確認し、直接生産者に触れることでしか、本当のことや現実はわかり得なくなるものです。

 グルッペでは、これからBWCのワインをお客様方へ適正な価格でお届けいたします。同時に、メディアが作り上げたワインについての神話(あるいは正しくはない情報)に疑問を投げ掛けながら、本当の意味での安全性、品質、ひいてはワインの持つマジック─単なるお酒と言うだけにとどまらず、飲み手に歴史や文化性、ロマンや豊かさをもたらしてくれるもの─をご案内していければと思います。国境を越えても、真面目な生産者は一生懸命良いものを造ろうと日々仕事をしています。彼らと、飲み手の皆様方とをつなぐ橋渡しになれれば幸いなことです。

(BWC東京 川口 純一)


☆グルッペ ボルドーワインサロン☆
 ご紹介も含めて、ご興味のあるお客様向けのBWCワイン試飲会(軽食付き)を行います。決してワインの「勉強会」ではありません。普段の食卓でワインをより楽しんで飲んでいただくためのご案内をさせていただきます。ふるってご参加下さい。

日時:5月9日(日) 14:00〜16:00
会場: レストラングルッペ
受講料: 3,500円 軽食付き(サラダ、キッシュ、パン)
定員:先着25名様とさせていただきます。

協力・案内役:BWC東京

<お申し込み・お問合せ>

レストラン 03-3393-1224(担当:タノ)
荻窪本店 050-5510-5765(担当:コニシ)